ベーシストと言ってもエレクトリック・ベースしか弾けない私にはハーモニカは驚異の楽器だ。電気が無けりゃただペシペシしか鳴らないこっちに比べハーピストはいつでも何処でもちゃんと演奏出来てしまう。
ギターは「膝の上のオーケストラ」と称されるがハープは正に「ポケットに入るオーケストラ」なのだ。
「ヒロさん、ハーピスト集めてイベントやろうよ。」と誘ったら「あ〜〜いいねぇ〜。」と企画を進めてくれた。
私達が小学校でプカプカ吹いていたド・レ・ミ…の順に吹くのと吸う穴が決まっている物が一般的な「ハーモニカ像」だろう。が、ひと口にハーモニカと言ってもいろいろな種類が有る。
S・ワンダーやT・シールマンズで知られている繊細で物悲し気なトーンはクロマチック・ハープと呼ばれているもので小さなレバーが付いていて半音階が出せる。それを特大にしたハーモニカ版ベースみたいなのがビートルズのThe Fool On The Hill でお馴染みのバス・クロマティカ。レコーディング時にはジョージが吹いていたらしいが「頭がクラクラした。」と後のインタビューで語っていたように相当な肺活量が必要な代物だ。
ヒロさんを始め多くのブルース・ハープ・プレイヤーが使用するのは別名10holesとも称される手の中に収まってしまうような小さな物で、穴は10個しか無い。同じ穴で吹いた時と吸った時で違う音程が出るのだがスケール(音階)が限られているので曲のキー別に数本のハープを使い分けるのだ。何本ものハープを挿したホルダー等を腰に着けてキーに合わせて素早く取り出し使い分ける様は早撃ち2丁拳銃みたいでなかなかカッコ良いのだ。
ビートルズで言えばI Should Have Known BetterやLove Me Doでジョンが吹いてた奴ね。ジョンが使用していたのはホーナー社のマリンバンドで木製なのが特徴。対してブルース・ハープを専門にしている人がよく使っているのがホーナー社のスペシャル20で樹脂製。舌当たりが滑らかで水分を含んでもふやけて来ないのがいいらしい。
ブルースハープ好きの人も、まだその魅力に触れてない人も必見のハーモニカ三昧なライブだよ。
Tokyo 10holes Harmonica Societyプレゼンツ!ブルースハープの逆襲! Vol.1
出演
腹八分 山中政輝Vo.Harp. 平野拓Vo.Guit. 山口琢生Ba. 林秀樹Dr.
電気ハープ・マッドネス 八木のぶおHarp. 和泉聡志Guit. 高瀬順Key. 江口弘史Ba. つのだ健Dr.
BLACK BULLET 西村ヒロVo.Harp 西野やすしVo.Guit. 江川ほーじんBa. 岡地曙裕Dr.