わりと最近驚いたことが有る。10代の若者に音色、アンプ等のトーン設定についての質問された時だ。
ほ「先ずアンプのトーン・コントロールでどこまで作り込めるか、特にフェンダー・パッシブ・トーン回路等は3つのトーンがお互いにクロスして影響する。だから絵具を混ぜるみたいにしてね…。」
10代「???」
ほ「紫とか黄緑とか…、自分のイメージで色混ぜて作るでしょ?」
10代「混ぜたことありません…。」
ほ「ナニッ? なんだとぅ〜?」
話しを聴いてみると学校で「絵具を混ぜるな」「36色以上の絵具を買って来い」なんて言われたそうだ。私は心底びっくりした。これがゆとり真っただ中世代の実情なのか? まさか全ての教員がそんなアホばかりだとは思えないが、確かに彼には音を混ぜると言う感覚・意識が欠落していた。
「CDなんかの色んな楽器の音がミックスされた状態でのベースの音が気に入ったとして、それをそのまま単体で再現しても目指す音にはならないんよ。」と言っても「???」な反応である。混ざる前の単体のベースの音と、全体で聞こえるベースの音は違うと言うことが飲み込めないらしい。単体でどんな音を鳴らせばバンド全体でどんな音になるかを経験から予測して作って行く作業を理解出来ない10代を理解出来ない私。 まったく、何処のアホ教師じゃい!絵具は12色でええんじゃ!金持ちのガキが48色とかの絵具や色鉛筆持って来よるけどそれはそれでええんじゃ!想像力を奪うなよ、まったく。
その後不安になって同年代の若者達に聞き取り調査をした結果「無い色は絵具を混ぜて作りなさい。」と指導するまともな教師も居たことにやや安堵。しかし居るんだね、本当にこんなアホな先生が…まったく信じられない。彼の理解力の無さは絵具事件が根底に有るのかどうかは不明だけど…。
もちろんアンプのツマミやベースに付いてるプリアンプなんかでプレイヤーのトーンは作られる物では無い。ラーメンで言うとトッピングみたいなもんで問題は出汁である。この場合のダシとはプレイヤーのタッチ、指先から生まれるトーンそのものだ。そこを先ずしっかり鍛えないとツマミやエフェクターをどんなにいじくっても使える音には成らないのだ。